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「ひまわり」という作品について

ゴッホの「ひまわり」
ゴッホの「ひまわり」は、花瓶に活けられているひまわりの花をモチーフとして描かれた、複数の絵画のタイトルです。
ゴッホにとって、ひまわりという花は南フランスの明るい太陽の象徴だったと言われています。
実際、ゴッホは南フランスのアルル地方に滞在していた頃に、よくひまわりを描いています。
しかし、精神が破綻して精神病院に入院し、療養し始めてからはひまわりを書かなくなったことから、ゴッホにとってのひまわりは南フランスの太陽の象徴であっただけでなく、ユートピアの象徴でもあったのではないかと言われています。

ゴッホの「ひまわり」は、彼が制作した「花瓶に活けられたひまわりをモチーフにした油彩の作品」と定義すると、7点制作されたとされています。
このうち、2番目に制作されたとされている「ひまわり」は、日本の実業家がスイスから購入したのですが、1945年の8月、第二次世界大戦中の芦屋市空襲に巻き込まれて消失しています。
これ以外の6点は、現存しています。
ゴッホの「ひまわり」を日本人が購入していたことに驚きましたが、それ以上に戦争で消失したということがショックでした。
戦争が起こらない世の中になり、人の命や貴重な美術品などが失われなくなると良いなと思います。

「ひまわり」の中には、贋作ではないかという疑いがかけられた絵もありました。
20世紀末の研究、調査によって真作であると確認されています。
ゴッホは「ひまわり」を「ルーラン夫人ゆりかごを揺らす女」という作品を中心として、どれか2点を両側に展示するアイデアを手紙に書いているため、「ひまわり」という作品は習作や描き直しではなく、複数揃っていることに意味があった作品なのではないかと考えられています。

7点の「ひまわり」とその違い

ゴッホが制作した「ひまわり」は、7点ありましたが、いずれもその構図はほとんど同じです。
構図だけでなく、花瓶のデザインや色味もほとんど同じになっています。
しかし、ひまわりの花の本数が違っている作品があります。
ひまわりが3本のもの、12本のもの、15本のものと3種類あります。
12、15本はあまり差がありませんが、3本はちょっと少ないように感じませんか?
でも、私はこの一番ひまわりが少ない3本の絵が一番好きです。
バランス、色が一番私の好みに合っているのだと思います。

また、前述した2番目に制作され、日本で消失してしまった「ひまわり」は、花の本数が5本だったと言われています。

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