フェルメールで最も有名な作品

フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」
「真珠の耳飾りの少女」は、オランダの画家フェルメールの作品で最も有名で2012年に開催されたマウリッツハイス美術館展「オランダ・フランドル絵画の至宝」で来日し、一目見ようと多くの人が集まりました。
1665年ごろの作品といわれ、口元にかすかな笑みに見えるためレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」に対し、オランダのモナ・リザとも称されています。
フェルメールは当時無名の画家で43歳で亡くなっています。破産同然で亡くなったため当時の作品のほとんどは手元になく残った作品も競売にかけられたそうです。
しかし、19世紀以降、フェルメールの画は人気となり注目をあびるようになりました。
状態が悪く1万円程度で売買された「真珠の耳飾りの少女」。何度もクリーニングを行い、元の状態に近いところまで修復したそうです。
なお同じフェルメールの作品「デルフト眺望」は「真珠の耳飾りの少女」と同時期にオークションされ1000倍近い値段で売買されたそうなので、フェルメールの価値が低かったわけではありません。
所有者は転々としていましたが、マウリッツハイス美術館に寄贈され以降、ここで所蔵されています。
現在の価値にすると100億円以上ともいわれていますが、フェルメールは生前お金で苦労していたため、死後高値で取引されるのは皮肉といえます。

フェルメールの画は光の表現が特徴的で、「真珠の耳飾りの少女」も光の方向や反射を観察し描いたようです。
耳飾りは鏡が反射したように描かれています。背景が黒になっているため、少女のターバンや服が際立って見えます。
フェルメールは当時の最新技術を積極的に取り入れていて、ピンホール・カメラの元になった「カメラ・オブスキュラ」を使っていたそうです。

モデルの少女について

ターバンを巻いた異国風の格好をした少女が描かれていますが、肖像画ではなく「トローニー」と呼ばれる想像上の人物を描いた作品です。
フェルメールの娘マリアではないかとも言われていますが、推定されている年代だとフェルメールの作風が異なり、家族や知人の肖像画がないため可能性は低いとされています。
タイトルに真珠の耳飾りとありますが、天然の真珠でこれほど大きいのはないためガラスや錫製とする説が有力です。
ターバンは当時のヨーロッパでは一般的なファッションではなくトルコやアジア圏の文化の影響を受けていることがわかります。

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